半導体産業が負けたわけ September 16, 2009
September 16, 2009
半導体産業が負けたわけ
先日、「技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか―画期的な新製品が惨敗する理由」ダイヤモンド社(妹尾堅一郎教授)を紹介した。
(1)急所技術の開発による基幹部品化
(2)基幹部品を組み込んだ、普及「中間システム」の生産
(3)国際イノベーション共闘によるディフュージョン(普及)の分業化
というパターンで、日本はインテル他に負けた。
興味深いので、とある半導体メーカーに勤務していた知人に紹介したところ、思わぬ答えが・・・。
「そもそも技術で勝っていたのか。当時、日本のメーカーが作っていたのは、半導体といってもメモリーだった。この分野、シェアNo.1にならないと、市場価格をコントロールできない。しかし、油断をしていたすきに、サムソンにとられてしまった。そもそも、日本は、インテルのようなCPUの開発では後塵を拝していたのだ。」
さらに、日本「半導体」敗戦 (光文社ペーパーバックス) 湯之上 隆:では、日本人は、コスト意識なく過剰性能、過剰品質を目指してしまう病気にかかっており、その病気にかかっていることを本人が気づいていない。このため、半導体の製造プロセスが高度かつ多段階になってしまう。これに対し、インテルでは、最終製品のコストを決め、その範囲でできる性能・品質を決め、製造プロセスを決める。このようなコスト意識なしの過剰品質が首をしめたのだと指摘している。
実際は、それらの複合的なものであろうが、技術戦略自体も考えなおすべきであろう。